光で書く
先日は試写でウディ・アレン監督の『女と男の観覧車』を観ました。いろいろと胸がざわざわする作品でしたが映像がとても素敵でした。撮影監督はヴィットリオ・ストラーロ。『暗殺の森』や『地獄の黙示録』などを撮った方です。
常々、「光で書く」とおっしゃっているらしく、実際、様々な色を塗っている感覚の映像でした。逆光を利用し暗部を作り、芝居場に新たに光の色を加えていく感じです。
今作のインタビューでは「演劇的な悲劇」の強調、と話しています。たしかに登場人物たちが暮らす部屋はあらゆる方向から光を取り込む舞台装置のような印象で、人物の心のざわざわ感を見事に抽出していたのでした。
まさに映画映えです。(P)