魅惑の光

照明機材はそのシーンを彩り、その印象を深く深くしていくものだと思います。照明マンの勘と技術は職人技であります。一方、自然光を多く取り入れ、独特のメッセージを醸し出す映像作りもあります。
先日、久しぶりに上映された福島拓哉監督の『アワ・ブリーフ・エタニティ』(2010)を拝見し、自然光の美しさを感じました。もちろん俳優陣の演技あってこそですが、デジタル技術云々ではない美しい画作りに圧倒されました。イ・チャンドン監督の『バーニング 劇場版』(2018)も自然光と事件と登場人物の感情が折り重なっていくさまも美しくこちらに迫るものがありました。ヒロインが躍る夕景逆光のシーンは魅惑の時間となっており必見です。やはり、照明は奥が深いです。